10Oct
ゴンダールで年に一度のお祭り「マスカル祭」を楽しんだあと、次の街「バハルダール」に向かったんですが、その前にゴンダールの街で「マラリアの薬」を購入したので、「マラリア」についてここにまとめておこうと思います。
マラリアについてはかなり調べました。死にたくないですから・・・
しかしあくまでも個人的に色々と調べた事であって100%正しい知識ではないので、アフリカを旅する人は参考資料程度に捉え、最終的には自分で調べた上で判断してください。
先に結論を書くと、僕が購入した薬は下記の3種類です。
マラリア予防薬:ドキシサイクリン•メフロキン
マラリア治療薬:コアルテム
予防薬は「Anti-Malaria Medicine」で、治療薬は「Malaria treatment Medicine(Standby Treatment)」で通じます。
マラリアについての知識と、上記の予防薬•治療薬についての詳細は下記の通りです。
目次
マラリアとは?
マラリア(悪い空気という意味の古いイタリア語)は、熱帯から亜熱帯に広く分布する原虫感染症。高熱や頭痛、吐き気などの症状を呈する。悪性の場合は脳マラリアによる意識障害や腎不全などを起こし死亡する。古典などで出てくる瘧(おこり)とは、大抵このマラリアを指していた。
病原体は単細胞生物であるマラリア原虫。ハマダラカ(蚊)によって媒介される。
過去には、日本やヨーロッパなどでもマラリアが流行したと考えられている。イタリアの都市の多くが、丘の上に作られているのは、低湿地がマラリアの多発地帯である事を恐れた結果であったとする指摘がある。
全世界で年間3 – 5億人、累計で約8億人の患者が発生し、死者数は100 – 150万人に上ると報告されている。もっとも影響が甚大な地域はサハラ砂漠以南のアフリカ諸国である。
マラリアの流行地に行く場合はまず感染を防ぐ為に、蚊に刺されないようにすることが最重要事項。殺虫剤や虫除けスプレーなどを使うほか、夜間は蚊帳を用いることも必要である。抗マラリア薬の予防投与も行われる。
マラリアを発症すると、40度近くの激しい高熱に襲われるが、比較的短時間で熱は下がる。しかし、三日熱マラリアの場合48時間おきに、四日熱マラリアの場合72時間おきに、繰り返し激しい高熱に襲われることになる(これが三日熱、四日熱と呼ばれる所以である)。卵形マラリアは三日熱マラリアとほぼ同じで50時間おきに発熱する。熱帯熱マラリアの場合には周期性は薄い。
いずれの場合も、一旦熱が下がることから油断しやすいが、すぐに治療を始めないとどんどん重篤な状態に陥ってしまう。一般的には、3度目の高熱を発症した時には大変危険な状態にあるといわれている。
マラリア原虫へのワクチンはないが、抗マラリア剤はいくつかある。
流行地で生まれ育ち、度々マラリアに罹患し免疫を獲得した人では、発熱などの症状がほとんど診られないこともあるが、免疫が無ければ発症する。
とにかく怖い感染症だと言う事が分かったかと思います。マラリア原虫が体内に侵入してから発症するまでの期間は、熱帯熱マラリアで12日前後、三日熱マラリアと卵型マラリアでは14日前後、四日熱マラリアは30日前後との事。
蚊に刺されないようにするには
1、肌の露出を少なくする
長袖、長ズボン、長い靴下を着用する。特に寝る時ですね。Tシャツ、短パンで寝るのは自殺行為です。また、ハマダラ蚊は黒い衣服を好み白い衣服を嫌うとの事。
2、夜間の外出を控える
蚊が活発に活動するのは夕方~早朝なので、その時間の外出を極力控える。まーなかなかそうもいかないと思いますが。
3、虫除けスプレーの使用
僕はエジプトのカイロで「OFF!」という虫除けスプレーを2本購入。(35ポンド=490円)
今のところ、とても良く効きます。が、これから南下するにつれ、南の方の蚊にも効くのかは不明。
2015年1月追記:タンザニアで使い切りましたが、ここまで良く効きました。
3、蚊帳の使用
アディスアベバのバロホテルに滞在中、短期で旅行に来ていた日本人の女の子に、もう不要だと言う事でもらいました。
ベットから吊るすタイプです。寝る前に蚊帳の中に蚊がいないかを3分程度観察し、いない事を確認してから寝ます。
2015年1月追記:蚊帳は必要ありません。必要な場所では必ず宿に蚊帳があります。
2015年1月追記:どんなに気を付けても無駄です、刺されます。初めのうちはすごい気を付けていたけど、だんだん気にしなくなってきます。今では蚊に刺されまくってますが今のとこマラリアにはかかっていません。(予防薬は飲んでいません)
蚊の生息範囲
2015年1月追記
※時期により異なる可能性もあります
【スーダン】
中部•北部では水辺が無く乾燥していて気温も暑すぎる為か蚊は皆無。カッサラやエチオピア国境付近の街などスーダン南部でたまーに蚊を見かける程度でした。が、刺されていないか刺されていても痒くならない程度の弱い蚊ですので、マラリアの心配は無用かと思います。
【エチオピア】
アディスアベバ以北は標高が2000m以上ある為、蚊はとても少なく、刺されてもほとんど痒さは気になりません。別に殺さなくてもいっかとか思ってしまうレベル。「ふぅ~」っと息を吹きかけると、どっかに行ってしまう弱々しい蚊です笑。痒さの問題ではないのですが、地元の人も蚊を気にしている人は少ないですしスーダン同様心配は無用だと思います。
アルバミンチより南は標高も低い為、蚊も多く少し注意が必要です。ただし日本人が泊まりそうな宿には概ね蚊帳があります。
【ケニア】
ナイロビは蚊は多かったですが標高が高いのでマラリア原虫をもった蚊はほぼいないそうです。現地在住20年以上の日本人の方も1回もマラリアになっていないとの事。
【ウガンダ/ルワンダ/ブルンジ】
マラリア原虫を持った蚊が比較的多いとされている地域なので注意が必要です。ただ部屋に蚊帳がありますし、僕はルワンダで刺されまくりましたが大丈夫でした。
【タンザニア】
キゴマ、ムワンザ、アルーシャ、モシはそれなりに標高があるのであまり心配いりません。ダルエスサラーム、ザンジバルは標高はありませんがマラリア原虫を持った蚊はほぼ皆無だそうです。
【マラウィ】
マラウィ湖があり雨季だった為か、めちゃくちゃ蚊がいました。刺されまくりました。もう気にならなくなりました。笑
【モザンビーク】
同じく蚊が多かったです。
【それより南の国】
もうどうでも良くなって気にしていなかったので分かりません。とにかく刺されまくってます。しっかり食べてしっかり寝れば大丈夫?!というか運ですかね、多分。
標高1500m以上の場所は、蚊はいるけど比較的安心して大丈夫だそうです。それ以下は注意。とは言え結局は運次第ですかね。上記に書いた場所でもマラリアにかかったという人もいますので。ただマラリア原虫を持ったハマダラカは僅か1%です。病は気から。心配し過ぎも良くないので気楽にいきましょう!
マラリア予防薬「ドキシサイクリン」と「メフロキン」
1、ドキシサイクリン(多くの製薬会社から販売されており商品名は多数あり)
エチオピア、ゴンダールの薬局で購入。10錠で20ブル(110円)。安いとこだと10錠で10ブル(55円)で購入可。
ドキシサイクリンは予防薬として毎日1錠飲む。食事の直後と空腹時を避けて十分な量の水と共に寝る前に飲むのが望ましい。
抗生物質の為、乱用は禁物で最大服用期限は3ヶ月との事。リスクのある地域に入る2日前から服用を開始する。
副作用には胸焼けや、日光過敏症などが挙げられる。
予防内服、あるいは他の抗マラリア剤と併用して治療に用いられることもある。
経口摂取時に食道に付着停滞することがあり、その場合まれに食道潰瘍を来すことがあるため、十分な量の水とともに服用することを心がけること。
ゴンダールの薬局で購入したドキシサイクリン。韓国製。値段は上記の通り。
下記の写真のように10錠ずつ購入できる。
こちらはアディスアベバの薬局で見かけたドキシサイクリン。ドイツ製。1錠ずつ購入可能で1錠5.15ブル(28円)。
こちらもアディスアベバの薬局で見かけたドキシサイクリン。スイス製。1錠ずつ購入可能で1錠9.5ブル(52円)。
上から順番に1錠あたりの単価が6円、28円、 52円とバラバラで、それぞれどう違うのかまでは不明。
それぞれ3ヶ月分(90錠)購入した場合、上から順番に540円、2520円、4680円と大差が出るので購入は慎重に決めた方が良い。
2、メフロキン(商品名:メファキン[MEPHAQUIN]、ラリアム[LARIAM]、エロキン[ELOQINE]など)
アディスアベバの薬局で購入。種類はエロキン[ELOQINE]で1箱(6錠)150ブル(823円)。3ヶ月分(12錠)購入した場合1647円となる。
予防薬として週に一度決まった日に1錠飲む。定期的に飲む事が非常に大切。最大服用期限はドキシサイクリン同様3ヶ月。
リスクのある地域に入る2週間前から服用を開始する。JICA(国際協力機構)で支給されている予防薬はこの薬。
これを飲んでいれば高い確率(90%以上との事)でマラリアの発症を抑える事が出来るが、強い副作用を伴う事で知られている。
特に精神神経系副作用が強く、鬱•精神不安定•幻覚•被害妄想•不安•混乱•脳障害•健忘症•攻撃性•めまい•バランス感覚失調などが内服説明書に記載されている。それ以外にも吐き気•下痢•腹痛•食欲減退•悪夢•眠気•不眠•筋肉痛•心拍変調•視覚障害•不整脈なども記載されている。
メフロキン内服による自殺も報告されている。副作用は服用後2,3週間経過してから現れる事が多いとの事。
また、エチオピアの薬局ではマラリアの薬を探していると言うとほとんどの薬局でクロロキンを出してくるので注意。アフリカではクロロキンに耐性を持ったハマダラカが多いので現在はあまり効果がないとされる。メフロキンに耐性を持ったハマダラカも増えては来ているもののクロロキンに比べればまだ少ない。東南アジアでは多いとの報告あり。
メフロキンはマラリアの予防および、クロロキン耐性熱帯熱マラリアの治療に用いられる。メフロキン耐性のマラリア原虫の拡大にともない、メフロキンの効果は減少していった。アーテミシニンなどのほかの抗マラリア剤と併用することもある。
アディスアベバの薬局で購入したメフロキン。
これまでに会った旅人の予防薬所持率としてはドキシサイクリンが50%、メフロキンが50%という感じ。
メフロキンを服用している実際に会った旅人から聞いた話では、吐いた、ちょっとした事でイライラするようになった、とてもネガティブになった・・などを聞いている。
ドキシサイクリンに関しては特に副作用を聞いていない。
大切なのは、これらの薬に耐性を持った蚊も存在する為、いずれも100%予防出来る訳ではないという事。
また、メフロキンは治療薬として服用する場合もある。
その場合、体重60kg未満の成人は1回目3錠、6-8時間後3錠、60kg以上の成人はさらに6-8時間後に1錠を服用する。
僕がメフロキンを購入したのは、どちらかと言うと万が一の時の治療薬として使う為である。治療薬は次に紹介する「コアルテム」をメインに考えてはいるが、複数持ち合わせた方が良いとの情報もあり念の為に購入した。
マラリア治療薬「コアルテム」
コアルテムはアフリカで最も服用されている抗マラリア薬で治癒率は臨床試験の結果90%超との事。
僕はゴンダールの薬局で購入。1回治療分(24錠)で150ブル(825円)。安い所だと110ブル(604円)で購入可。
JICAで支給されている治療薬はこの薬で、WHO(世界保険機関)も抗マラリア薬として最も推奨している薬。
服用方法と副作用については下記の通り。
緊急時の自己内服による治療薬としては、即効性、効力、副作用の少なさの諸点に鑑み、現在最良のものと言えます。
マラリア発症時におけるコアルテムの服用法は、初回4錠、それから8時間後に4錠、その後二日目と三日目の朝と晩にそれぞれ4錠、計6回、合計24錠です。頭痛、倦怠感、眩暈、冷や汗、寝汗などの先駆症状の段階でコアルテムを服用すれば、一日で症状が軽快します。
予防効果が百パーセントの抗マラリア内服薬の無い現在、医療機関の無い僻遠地で活動しなければならない人間にとって、このコアルテムが緊急救命のための最後の砦です。
コアルテムの外箱。
次の写真が1回治療分(24錠)。服用の仕方がイラストで書かれていて分かりやすい。
他にも「マラロン」という治療薬が有名だが、高価(1箱12錠入りで2000円前後)で手に入りにくいというのが現状で、これまでに会った旅人が所持している治療薬は100%「コアルテム」。
予防薬を服用するべきか、服用しないべきか
これは、なかなか難しい問いです。一部のマラリア専門医や熱帯感染症の専門家からは、副作用のデメリットを第一に考え、予防内服を行わず、マラリアの発症を確認してから医療機関に出向くか、無医村の場合には手持ちの治療薬を服用する対処法が、推奨されています。確かに、医療体制が整い、24時間輸送手段の確保されている都市に居住しそこで活動する人には、この対処法がベストであると思われます。ただしその場合でも、マラリアが発症した時の患者の苦痛は大きく、治療措置後も一週間くらいは、頭痛、発熱、倦怠感、下痢、筋肉痛などの体調不良が続く場合もあることを知っておくべきでしょう。一方、無医村の僻遠地で活動を行う人間にとっては、発症そのものが所期の活動に大きな打撃を与えるものですし、またマラリア罹患の自覚症状は激烈ですから、医療機関のある都市への移動そのものにたいへんな苦痛を伴う点が考慮されなければなりません。
以上、色々と調べた結果、現時点での僕の判断ではまだ服用を開始していません。理由として、
1、アフリカには長ければ来年1月頃までいる可能性があるので、その場合、最大服用期限である3ヶ月を超えてしまう事。
2、現在はまだ高地の為、先にも書いた通りそれほど蚊が多くない事。
3、南部の農村部と違い万が一発症してもしっかりした医療機関が近くにある事。
とは書いたものの、もともと薬があまり好きでなく、健全な状態なのにも関わらず3ヶ月もの間、毎日もしくは毎週薬を飲み続けなければならないという薬に対する抵抗感が強いからかもしれません。
また、服用する場合、現地の人と日本人では服用量が違うので注意。処方説明がある場合、日本人は全く免疫が無いので[Non-immune]と書かれた服用量を守る事。[Semi-immune]は多少の免疫がある現地人向けなので注意。当然[Semi-immune]の方が服用量は少ない。
マラリア検査キット
マラリアの発症が疑わしい場合には、言うまでもなく医療機関に行くのが一番だが、「検査キット」を使う事により自分でも判断が可能。検査キットは「Malaria Test Kit」で通じる。
今のところ売っているのを見た事がないため詳細は不明だが、小さな針を指に刺して血を出し、試薬に浸すらしい。5分程で結果が線の数で現れるそうで陰性か陽性か、また陽性の場合には三日熱マラリア•四日熱マラリア•卵形マラリア•熱帯熱マラリアのどの種類かまで分かるらしい。
この検査キットについては入手出来次第この記事を更新します。
また、マラリア発症をいち早く自覚する為に、体温計の携帯も多くのサイトで推奨されている。
マラリアの発症が疑わしい場合には、とにかく早く医療機関に行く事が大事。地方農村部で近くに医療機関が無い場合には、いち早く治療薬を飲み始める事が大事。
アディスアベバの購入場所
アディスアベバの購入場所を地図に示しておきます。いずれもメフロキン、コアルテム、ドキシサイクリンがありました。
ピアッサ地区からはLION PHARMACYの方が近いですが、残念ながら遠くにあるINTERNATIONAL PHARMACYの方が安かったです。
LION PHARMACY→メフロキン[ELOQINE]1箱(6錠)が162.5ブル(892円)
INTERNATIONAL PHARMACY→メフロキン[ELOQINE]1箱(6錠)が150ブル(823円)
赤・・・LION PHARMACY
青・・・INTERNATIONAL PHARMACY
以上、2014年10月10日エジプトからエチオピアまで南下して来た時点でまとめたマラリアに関する情報です。
南アフリカまで南下する途中で新たな情報が入り次第この記事は更新しようと思います。
2015年1月追記:一部更新しました☆
2015年5月追記:結局アフリカに9ヶ月滞在しましたが、予防薬は1度も飲みませんでした。高熱は何度か出ましたがマラリアにはかかっていません。
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