12Mar
アフリカ最大規模のスラムとも言われる「キベラスラム」
推定人口はナイロビ人口の過半数である約100万人とも言われている。
いつどこで犯罪に巻き込まれてもおかしくないスラム。そんな危険な場所にただぶらりと行った訳ではない。ツアー会社の催行する「キベラスラムツアー」に参加した。
今回の記事はこの「キベラスラムツアー」への申し込みから、スラム内の様子、生活する人々について簡単に書いてみました☆
目次
キベラスラムのツアー会社
ナイロビの街を歩いていて何度か「キベラツアー行かないか?」と、客引きに声を掛けられたのでいくつかのツアー会社が催行していると思われる。その中でも日本人に有名なのは、キベラスラム内にある恵まれない子供達の為の学校マゴソスクールを運営する早川千晶さんのスタディツアーだろうと思う。
このツアーは千晶さんはもちろんの事、銃を持った警官が3名同行するらしい。そしてただ物見遊山にスラムをブラつくのではなく「なぜスラムは出来るのか?」「スラムの人々はどこから来るのか?」「日々の生活はどういうものなのか?」などの疑問を解きスラム訪問を意義のあるものにしよう、というツアーである。
しかしいつでも参加出来る訳ではなく、月に数回開催される事もあれば開催されない月もあるとの事。出来ればこのツアーに参加したいと考えていたが、やはりタイミングが合わず12月は学校が冬休みのためスタディツアーは行えないとの事だった。
代わりにロンプラに掲載されているツアー会社に申し込む事となった。ツアーに関してはこのブログで何度か登場している「姉さん」が申し込みをしてくれた。ツアーに一緒に参加したのは姉さん、みつるくん、えびちゃん、先生、あさみちゃん、僕の計6人。
早川千晶さんが開催するスタディツアーに関しての問い合わせは下記より受け付けています。
chiakinairobi☆gmail.com(☆印を@に変えてください)
公式HPみたいのはないっぽいですが、ググると参考になる記事がたくさん出てきます。
※たまに事前の連絡もなしに、インターネット上から写真を手に入れて、その写真を元にマゴソスクールへ訪ねて来る人がいるらしく、それは危険なので絶対にやめて欲しいとの事です。必ず事前連絡をしましょう。
今回僕らが利用したツアー会社はこちら↓
[browser-shot url=”http://kiberatours.com/” width=”200″ height=”150″ alt=”Kibera Tours” target=”_blank”]Kibera Tours[/browser-shot]
※午前中3時間のツアーで1人2500シリング(約3000円)
歩いてキベラスラムへ
前日に予約を済ませツアー当日の朝8時半頃、ニューケニアロッジからツアー会社までタクシーで向かった。が、オフィスの場所が分からずツアー会社のすぐ近くにあるコーヒーチェーン「Java House」でWi-Fiを繋げ電話をすると、ツアー会社の兄ちゃんがすぐに迎えに来た。ツアー概要、注意点などの説明を受けてさっそく出発。
このツアー会社はキベラスラムのすぐ近くにあるので、そこから歩いて向かった。ガイドの兄ちゃん2人と僕ら6人の計8人。警察官の同行はない。しばらくは露店が建ち並ぶ道を歩く。中古の服や品物を扱う店が多かった。泥棒市なのか。
さらに進むと舗装されていない道へと変わり、露店もどんどんボロさを増して来る。
いよいよスラムへと入るらしい。
グチャグチャに泥濘んだ道が続く。出発前にガイドが「始めにチョコレートタウンを通る」と言っていたが、その意味が分かった。ここでみな足元がグチャグチャになった。
脇には細い路地がたくさんある。スラムの人達はこういうところに住んでいるのか。
スラム街にもホテルがある。どんな人が泊まるのか?いくらするのか?僕らのような旅行者が泊まったらどうなるのか?ちょっと興味はあるよね。泊まらないけど。
けど、思ったよりおっかない雰囲気は感じない。むしろダウンタウンの方が恐いぞ?と言うのもダウンタウンにいるような強靭な肉体の大男の姿が全然なくて、普通のおっちゃんやおばちゃん、あとは子供達の姿が多かった。
写真撮ってもいい?と聞いたら普通に撮らせてくれるし。
スラムの中にもいろんなエリアがあるみたいで、こうしてツアーで歩けるのはそれほど危険ではないところなんだろう。
とはいえ風景はやっぱりスラム街。
ツアーじゃなかったら絶対に歩かないような道ばかり。
次の写真、奥の方に赤い屋根の住宅が見えるでしょ?スラムに住む人に少しでもまともな生活をさせようと政府が建てたらしいんだけど、家賃が高くてみんな手前の方のボロ小屋に戻っちゃうんだって。住めば都とは言うけど・・実際の生活ってどんなものなんだろう・・・想像も出来ないよね。
スラムと言えど、貧しいながらも一生懸命働いて生活をする庶民が大多数を占める。貧困の人々が暮らす人口密集地という事をいい事に、強盗団などの極一部の悪党がスラムを隠れ蓑にしているとか。銃も簡単に手に入る環境であり、どんなに旅慣れている人でもスラムを軽視してはいけないとの事。
また、治安とは関係ないのですが、僕らがキベラスラムを訪れた2014年12月1日の翌日、マゴソスクール周辺で大規模な火災が発生し何名かの死者が出たようです。密集している為に一気に周辺に燃え広がり、また十分な消火活動も出来ない環境だからこそ、このような大惨事となってしまったそうです。エチオピアからナイロビへバスに乗った日に起こったバス襲撃事件といい、常に危険と隣り合わせなんだという事を改めて実感した出来事でした。
獣の骨で作ったアクセサリー屋
ツアーの途中スラムの中の、ある工場を見学した。そこは獣の骨をアクセサリーなどに加工している工場で、何人かの人がココで働いていた。工場内は壁も床も真っ白で、空気中にも白い粉が舞っている。それがすべて骨が削れたものだと思うと・・・。
器用に骨を削る人。少し見学させてもらったけど、空気の悪さと、なんかなんとも言えない臭いがあって気持ち悪くなりそうで工場を出た。
工場の隣に併設されているアクセサリーショップ。どれも骨から出来ている。意外にもどれも手頃な値段だったので、皆ここで何かしら購入。僕も指輪、ブレスレット、ネックレスを購入した。全部で600円位だったかな?写真に写っているのは値段交渉中の「姉さん」
キベラスラムに暮らす子供達
エチオピアではたくさんの元気な子供の写真を撮れたけど、ケニアではまだ撮れていなかった。ナイロビの街中にいたら撮れる機会なんてないからね。でもここでたくさん子供の写真を撮れた。けど、スラムだからなのか?あまり元気な子供がいなくて、笑顔を見せてくれる子も少なかった。
何か、悲しげな表情に見えてしまう。
この子も、なんだか表情がさ。。。
服が・・ね。
子供を抱えているけど、抱えている方もまだ子供だよね。
この子も、まだ小さいのに赤ちゃんを一生懸命抱えてた。
靴を磨くお姉ちゃんと弟。この子達はわりと小綺麗な格好。
空っぽのキャリーバックを引くお兄ちゃんと、鼻の頭を怪我している弟。
これもお姉ちゃんなのかな?お母さんと言うには若過ぎる感じが。
もちろん中には元気な子供もいる。
生意気そうな子供達もいる。
このブログを書いてて気付いたんだけど、元気で笑顔な子供達の写真が少ないのは僕自身に問題があったのかもしれない。気付かぬうちに「スラムに暮らす子供達」という色眼鏡をかけて彼らの写真を撮っていたのかもしれない。何か腫れ物に触るような態度になっていたのかもしれない。自分たちとは別の世界に暮らす子供達なんだ、みたいな。そういう見方をしていたのかもしれない。
ブログを書くとき、いつも写真をRAWから現像して※UPしているんだけど、今回の写真、なんかいつもよりコントラスト高めで暗めに仕上がってるし。意識したつもりはなく、その場所で自分が見た雰囲気まで伝わるように現像をしているだけなんだけど、自分にはそういう風に見えていたんだなーって書きながら思ったりした。
※RAWとは完成されていない生の画像データの事。現像とはこれを自分でJPEG画像に仕上げる事。
このツアーで本当のスラムの姿が見えたとは思っていない。英語のガイドでは表面上のことしか理解出来ず、何か疑問に思ってもなんて質問したら良いかも分からないし。なのでやっぱり千晶さんのスタディツアーに参加出来たら一番良いだろうなと思う。
それでもスラムの一面は見れた訳で、そんな一面から自分自身に様々な「気付き」や、多くのメッセージが飛び込んで来たのは間違いない。こうした体験を自分自身の生き方、考え方にしっかりと活かしていきたいと思う。
ちょっと脱線してしまったので話を元に戻し、、、
スラムの最後に見かけた映画館。もちろんスクリーンがある訳でなくテレビが1台あるだけ。こんなドクロのドアにしなくてもね~・・・汗
約3時間のスラムツアー、終わったのはちょうど昼頃だったのでスラム近くの食堂でランチ。マツンボシチュー※、チャパティ、コーラで130シリング(159円)
※マツンボとは羊の胃や腸などをトマトで煮込んだもの。ケニア版モツ煮といったところ。
これはちょっと臭みがエグくて、食べきるのがやっとっていう感じだった(汗)隣に写っている訳の分からん味のする葉っぱは一口でお手上げでした(苦笑)
ランチ後、スラムからナイロビタウンに向かうバス(40シリング=49円)で帰路についた。
以上スラムツアーでした。
日本にもスラムと呼ばれるエリアがありますね。大阪の「あいりん地区」、東京の「山谷」、横浜の「寿町」が日本の三大スラムと呼ばれている。この三大スラムの生活者を足しても2万人にも満たない訳で、キベラスラムはその50倍。さらには日本は世界一貧富の差が無い国と言われているので、キベラスラムの貧困とは比べものにならない。
そういう意味でも今回キベラスラムを歩けた事は貴重な体験になったと思う。ナイロビに訪れた際はサファリだけでなく、こちらも訪れてみてはどうかと思います☆
最後に地図です↓
赤・・・Kibera Tours
黒・・・ニューケニアロッジ
赤枠・・・キベラスラム(なんとなくこんな感じっぽい)
関連記事
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。